デニムとジーンズの違いとは?デニム生地が活用されている代表的なアイテムをご紹介


インディゴで染められたデニムは、今やカジュアルファッションにおいて欠かすことのできないアイテム。まっさらな濃紺、使い込んだブルー、どちらも違った魅力がありますね。

しかし、ある場合には「デニム」と呼び、またある場合には「ジーンズ」とも呼ぶ、その違いが気になったことはありませんか?

今回の記事では、知っているようで意外と知らない、デニムとジーンズの違いについて深掘りしていきます。デニムの歴史の中で代表的なアイテムについてもご紹介するので、これを読めばデニムについての理解が深まること間違いなしです。

デニムとジーンズは何が違う?

 

501 Levis デニム ジーンズ

デニムとジーンズという用語は、同じものの別の側面を表しています。使われている生地のことを指す場合は「デニム」、出来上がった製品を指す場合には「ジーンズ」という名称が適切です。

しかし、実際問題として、出来上がった製品もデニムと呼ぶことが多いですよね。その理由は、オシャレかどうかの住み分けにありました。

もともとはジーンズと呼ばれていた

もともと日本にジーンズが輸入されたのは1960年代初頭と言われています。そこから国内でも生産が開始し、80〜90年代には有名なリーバイスの501が爆発的ブームに。その後ファッションアイテムとして不動の地位を築くに至りました。この過程において、製品の名称は「ジーンズ」が一般的でした。

デニムの方が新しくオシャレな呼び方

しかし、そんな中で生じるのがジーンズの大衆化です。良くも悪くも、ジーンズはみんなに愛されるものとなったため、アイテムだけではオシャレの差別化ができなくなってしまいました。

そこで生まれた新しい呼称が、もともと生地を指す名前だった「デニム」です。オシャレに気を遣う人々は、同じ製品をジーンズではなくデニムと呼ぶことで、住み分けを図るようになっていったんです。イメージとしては、セーターをニットと呼ぶのと同じですね。

「今日からデニムと呼びます!」といったような大号令があったわけではないので、呼び分けが始まった厳密な時期までは不明ですが、だいたい2000年代頃から住み分けが始まったようです。

現在ではデニム≒ジーンズ

デニムという言葉が使われ出した当初こそ、ジーンズ=ダサい、デニム=オシャレといった住み分けが機能していましたが、現在ではそんなことはありません。ほぼ同じイメージの用語として定着しているので、好きなように呼んで大丈夫です。しかし唯一注意したいのが、パンツ以外のアイテムを「ジーンズ〇〇」と呼ぶこと。ジーンズはデニム素材で出来たパンツのことを指すため、パンツ以外のアイテムを指すには適していません。そういった場合は、「デニム〇〇」と呼ぶのが適切です。

例:×ジーンズコート 〇デニムコート

デニムが使われたアイテム

ここからは、デニム生地が使われている代表的なアイテムについて確認していきましょう。

ジーンズ(ジーパン)

 


ジーンズ

デニムといったら、やはりパンツが代表的ですね。ちなみに、英語ではjeansでデニム生地で出来たパンツのことを表すので、ジーンズパンツの略称である「ジーパン」は、「デニム生地で出来たパンツのパンツ」とでも言うようなヘンテコな意味になってしまいます。完全な和製英語ですね。

デニムジャケット(ジージャン)

デニムジャケット

かつてはジーンズで出来たジャンパーを略した「ジージャン」という呼び方が一般的でしたが、これはジーパン同様に和製英語。素材として言うならデニムの方が適切であるため、デニムジャンパー、もとい「デニムジャケット」という呼び方の方が適切です。

オーバーオール(サロペット)

オーバーオール

デニムの歴史と切っても切れない関係にあるのが、19世紀半ばのゴールドラッシュ。このとき作業員たちが着ていたツナギのことを「身体全体を覆う」という意味で「オーバーオール」と呼んでいます。

デニム生地が使われるアイテムとしては、ジーンズよりも歴史が古い存在です。ちなみに、サロペットというのはフランス語由来の呼び方。主に男性用はオーバーオール、女性用はサロペットと呼ばれる傾向が強いですが、概ね同じ意味です。

まとめ

デニムとジーンズの違いは、生地か製品かというのがもともとですが、現在ではほとんど同じ意味で使われています。しかし、ジーンズは依然パンツを指すのが一般的なので、トップスやアウターを指す際は「デニムジャケット」「デニムコート」などと呼ぶ方が自然です。

今回ご紹介したことを参考に、適切に使い分けていきましょう!




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