Tシャツと本

つくづく思うんですよね。Tシャツって自由なんだなあと。それはその人にとってただの下着であったり、トレーニングウエアであったり、寝巻きであったり、カルチャーであったり、ファッションであったり、別になんでもなくただ便利だから来ているだけのものであったり…。だからこそそこにはいろんな形があって、面白い。今回はそんなことがちょっと楽しめる本を紹介したいと思います。
『捨てられないTシャツ』(著:都築響一、筑摩書房)『Vintage -SHIRT Over 500 Authentic Tees from the "70s and "80s』(Carlton Books Ltd)『My Freedamn! 1 (History of American Vintage T-Shirts) 』(著, 編集, 監修, 翻訳:田中凛太郎、CYCLEMAN BOOKS)の3冊です。

『捨てられないTシャツ』


僕にもあるんですよね、捨てられないTシャツ。たまにクローゼットから引っ張り出しては、もう多分着ることはないだろうなあと思いながらもそっとまた元に戻してしまうやつとか、ヨレヨレだからみっともないと言われながらも着てしまうやつとか。だからこのタイトルを見たとき、すぐにポチってしまったw。内容はというと、つまり超個人的に愛してやまないTシャツを、写真と持ち主のエピソードで紹介していく“ファッション・ノンフィクション"。なんか、(失礼ですが)すごくどうでもいいことだったりするんだけど、なんか共感してしまう。そんなストーリーに満ちた本なんです。


「Tシャツには、本人の確固たる意志や、根拠のない自信や、個人的な記憶が染み付いていることがあるのに気づいた」
。う〜ん確かに。そうかもしれない。文字にすると大げさに見えるかもしれないけれど、なんとなくそういう部分があるような気もする。それが例え無地のTシャツだったとしても。つまり“キャラクター”がめちゃめちゃ反映されるんですよね。そういう面白みに気づける本です。多分、ここに乗っているTシャツは、普段その辺のショップで見かけても全然引っかからないアイテムであることの方が多いと思うんです。でも持ち主のフィルターを通して紹介されることで、なんだかちょっといいものにすら見えてくる。もしかしたら僕も、その辺に転がっているこんな“お宝”を見逃しているのかも、とか思ったら、無駄にスーベニアTシャツとか買ってしまいそうですw。

『Vintage -SHIRT Over 500 Authentic Tees from the "70s and "80s』


これは洋書ですね。その名の通り、いろんなヴィンテージTシャツを解説付きの写真で紹介しています。
画、アート、スポーツ、広告、スケート、サーフィン、ヒップホップ・カルチャー、車と女の子、ゲームの世界や、ポップカルチャー・・・。もともとアンダーウエアやトレーニングウエアであったTシャツはいつしかメッセージをのせるツールに発展しましたが、こうやって一挙に見せられると、本当にTシャツってすごいなって思いますね。そしてそれを着るっていうことは、ある意味自分のキャラクターをアピールすることだったし、それで仲間もできたりしたし。90年代にヴィンテージTシャツ(主にロックT)が流行りましたが、今再び90sリバイバルの時。この辺を楽しんでみるのもいいかもしれませんね。また久しぶりに古着屋でも巡ってみようかな。

『My Freedamn! 1 (History of American Vintage T-Shirts) 』


そして最後にこちら。横浜出身。20歳で黒人音楽の評論家として雑誌の世界に入る。大学卒業後、4年間の広告代理店生活を経て、1998年にカリフォルニア州サンクレメンテへ在住。以降、今日までカメラを持って世界中を飛び回る日々を過ごしている。2003年に自費出版『My Freedamn』をスタート。世界発売し、高価本としては異例の1万部を毎号販売。著者紹介文をAmazonから抜粋させていただきました。これがリリースされたときは結構話題になったんです。これは「My Freedamn」シリーズの第一弾で、最終的には第十弾まで刊行されました。Tシャツだけじゃなく、ミリタリーとかモーターサイクルファッションとか、アロハシャツとか、ニューウェーブファッションとか、いろんな角度からカルチャーと洋服を紹介。どの本も即ソールドアウトで、プレミアがついているものもあるとか。時代のリアルがすごく詰まっているって感じ。服ありきじゃなく、人ありきのファッションがいいです。
どこまでも自由で、超個人的に楽しんでいいTシャツ。昔『NO MUSIC,NO LIFE』っていうキャッチコピーがありましたが『NO T-SHIRT,NO LIFE』の方が絶対間違いない。Tシャツなしで過ごす人はほとんどいないでしょうから。せっかくだから自分勝手に楽しみたい。この夏はどうしようかなーと考えるのが楽しくなってきました。





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