洋服の素材、どのくらい知ってますか?それぞれの特徴を簡単に解説します!【天然繊維編】

皆さんは洋服を選ぶ時、どんな部分をみるでしょうか。デザイン、シルエット、ブランド?人によって優先順位は様々だと思いますが、ぜひ気にしてほしいのが「素材」です。服に用いられている素材はさまざまな種類があり、そのそれぞれに特徴があります。つまり、この特徴をよく理解していれば、この服はどんなシーンに適しているのかがすぐに分かるのです。今回は、そんな素材について簡単に解説してみようと思います。ぜひ、ざくっと頭に入れて、今後の服選びに活かしていただければ嬉しいです。

服の素材は大きく2種類

ひとえに服の素材と言っても、大きく分けると2種類あり、・天然繊維・化学繊維に分けることが できます。天然繊維はその名の通り、植物や動物の毛など自然にある繊維を利用したものを指します。そのなかでも、コットン・リネンは植物由来の植物質、ウールやシルクは動物由来の動物質と言います。今回はこの天然繊維の代表的な4種類を取り上げていきます。

コットン(綿)

Tシャツをはじめ日常生活の中でも最も触れる機会の多い非常にポピュラーな素材であるコットン。肌触りがよく、吸湿性に富んでいる為、肌に触れる衣服の40~50%ほどは、このコットンで作られていると言われるほど。また、水洗いが可能であったり、直接アイロンを当てても大丈夫など、耐久性にも優れている素材です。難点は、縮みやシワが付きやすい、黄ばみが起こりやすいなどがあげられます。とはいえ、それほど神経質になる必要がなく、日常的に使いやすい素材と言えるでしょう。ちなみにコットンの中でもいろいろと種類があり、紡いだ繊維の長さが長いほど、生地にした時に表面の凹凸が少なくなり、なめらかで光沢が出やすくなります。その為、繊維が長いコットンほど価値があるとされており、最も長いコットンを超長綿と呼びます。また、産地によっても名前が付いており、・アメリカ - スーピマコットン・エジプト・ギザ地方 - ギザコットン(フィンクスコットン)・中国 新疆ウイグル自治区 - 新疆(しんきょう)コットンその中でも特に品質の高い上記3種類が、世界三大コットンと呼ばれています。

リネン(麻)

さらっと涼し気な素材感と、ナチュラルな雰囲気が人気のリネン素材。日本でも昔からよく用いられてきた素材の一つで、独特のシャリ感のある素材が好きだという方もきっと多いのではないでしょうか。リネンの長所はなんといっても吸湿性。麺の4倍以上の吸湿性を持つとも言われており、高温多湿な日本の夏に非常に適した素材。また、抗菌性にも優れており、気になるニオイやカビの発生を抑えてくれる効果も。難点としては、伸縮性があまりないので洗濯によるシワになりやすいので注意が必要です。また、色落ちしやすい素材のため、濃い色の製品は他のものと分けて洗う必要があるでしょう。洋服であれば、シャツや薄手のコート、パジャマなどに用いられることが多いですね。他の素材とも相性がいいので、コットンやウールなどと組み合わせて(混紡生地)用いられることも多いですね。

ウール(毛)

コットンについでメジャーなのがウール素材。動物の毛であれば一様にウールと表記されますが、おおよそ9割が羊毛となっています(その他はカシミヤ、アルパカ、アンゴラ、モヘア、アルパカなど…)特徴は高い保温性と弾力性をもっている点。生地にふわっと膨らみがでるので、空気を含んで暖かく、冬物の服には欠かせない素材です。また、天然繊維の中では繊維が細く光沢の出やすい素材であるため、スーツにも用いられます。難点はケアの難しさ。水洗いするとかなり縮みやすく(皆さんも一度は経験あるのではないでしょうか?)、自宅ではなくクリーニングが必須なことも多いのがやや残念。ただ、最近は技術革新により加工が施されたウォッシャブル(水で洗える)ウールなんかも出てきており、難点が改善されつつあります。

シルク(絹)

蚕の繭から糸を紡ぐ「蚕糸業」は、世界遺産となっている富岡製糸場でも知られる通り、日本では古くから行われている産業の一つです。特に上記であげてきたコットンやリネン、ウールは日本で取れないため、ほとんどが海外で生産されており、日本で唯一の天然繊維がこのシルクとされています。素材の特徴としてはしなやかさと強い光沢を持っていること。そのためネクタイやスカーフといった小物、また和服でも用いられることの多い素材です。しかしながら、非常に繊細な素材で、直射日光や摩耗に弱くダメージを受けやすいため着用する度にクリーニングが必要など、なかなか日常使いには向いていない素材と言えるかもしれません。

素材を知ると選び方が変わる

今回は天然繊維4種類を解説しましたが、素材によって良い点と悪い点それぞれあることがお分かりいただけたかと思います。これを知るだけでも、今後、買い物をする際の服の見方が変わってくるはず。素材は製品表示タグに書いてあるので、ぜひチェックしてみてください。次回は化学繊維について解説したいと思いますので、お楽しみに。





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